第101章

三日かけて、ついに近くの警察署でようやく一杯のお茶を飲むことができた。

既に捜索願いが出されていたため、すぐに村上さんに迎えに来るよう連絡が入った。

村上さんが到着した時には、事件が大きく取り上げられていたこともあり、世間への説明が必要だったため、多くの記者を伴っていた。

村上美咲は九死に一生を得たような気持ちで、村上さんの胸に飛び込んだ。

「おじいちゃん、もう二度と我儘言わないから。旅行に行きたいって言い張ったせいで、人さらいに連れ去られちゃったの」

村上さんは追及した。「人さらいって誰だ?」

村上美咲は涙をぬぐいながら答えた。

「どこから逃げ出したのかわからないの。山の中を...

ログインして続きを読む